しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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モギ ちいさな焼きもの師


モギ―ちいさな焼きもの師

この本の著者はリンダ・スー・パークといって、アメリカの方なんですが
なぜか韓国を舞台とする作品を主に書いているそうです。
惹かれるものがあるのでしょうね。

みなしごのモギが、自分の道を見つける作品で
内容的にはアリスの見習い物語と重なる部分がけっこうあります。

でも、アリスとモギの違いは
育ててくれる人がいるかいないか
です。
これはけっこう大きな違いで
名前もあるし、していいこととよくないことも
モギはよく知っています。
そして、そのことによってモギが受けている恩恵は
読み手にとてもよく伝わります。

モギが見つけた自分の道は焼き物でした。
青磁といわれる美しい焼き物は
それを作れるようになるまでに大変な手間がかかります。
見ているだけだったモギが
焼きもの師のところに弟子入りできるようになり
その難しさを体で知り
それでも焼きものにどんどん惹かれていく様子。
それを見守り、できる限りの手伝いをする周囲の大人たち。

控え目なあたたかいトーンで物語が進んでいきます。
辛いことや悲しいことももちろんあるのですが
その後ろには穏やかさがしっかりと控えているので
安心して読むことができます。

藤川秀之さんの表紙や挿絵も物語にあっていて
落着きを一層ひきたてています。


物語好きな子にはおススメですが
冒険ものが好きな男の子が好むタイプの本ではありません。

この本をすすめるとっかかりとして
焼き物が好きな子、というのは多くないかもしれませんが
将来のことを少し具体的に考えるようになったときや
学校で歴史などを習って、青磁という器のことを知った時などが
いいかもしれませんね。








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まこちゃんのおたんじょうび


まこちゃんのおたんじょうび

いま品切れ中みたいですね。
冬の絵本だから、シーズンに合わせて再販してくれたらいいのになー。


にしまきかやこさんは、「わたしのワンピース」が有名ですね。
ざっくりと描いた絵がかわいらしい感じです。

まこちゃんは今日がお誕生日。
もらったプレゼントを身につけてスキップしながら出かけました…。

この絵本、なんだか冬の絵本って感じがしないんですよ、じつは。
主人公のまこちゃんの身につけているものがぜんぶ赤いからかな?と思っていたんですが
よく見ると、野原にピンク色が入ってたり、花が咲いていたりします。
そんなのも関係してるんでしょうね。
とすると、季節は今よりももっと早い時期で、これからのためにもらったプレゼントなのかな?

秋の終わりから冬にかけて
まこちゃんと同じ三歳のお誕生日をむかえる女の子がいたら
一度読んであげてください。
喜んでもらえるんじゃないかな、と思います。

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訃報

ノンタンシリーズの作者の方がお亡くなりになったそうです。Yahoo!ニュースで知りました。
ご冥福をお祈りいたします。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20081210/20081210-00000615-fnn-soci.html


正直言って、私はあまりノンタンが好きではないので、たぶんここでは紹介することないと思います。
ふしぎとこのシリーズ、絵本好きな方にはあまりウケがよくないみたいですね。
絵本の解説書でも不評なのを見たことがあります。

でも、ノンタンが好きな方もいらっしゃるでしょうから
とりあえずニュースとして載せておきました。


そんなかんじです。よろしくどうぞ。

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きつね森の山男


きつね森の山男

馬場のぼるさんの絵本です。
なんでこんなにのんきで面白いんでしょうねー。

住む場所を探していた山男がみつけたのはきつね森。
きつねたちは山男を仲間に入れて、とのさまとの戦いにそなえます。
山男ももちろんきつねたちに協力するんですが
日当たりのいい場所につくった大根畑の方が気になります。
山男は大根のふろふきが大好きなんです。

とのさまのところから来た「しのびのもの」をつかまえたら、大根畑の草取りをさせたり
大根畑があらされそうになったところでとのさまをおいはらったり。
この物語の主人公は山男じゃなくて大根?ってくらい大根は大事にされています。

冬になって念願のふろふきを食べていた山男は、味噌をきらして村に行きますが
そこで殿様につかまってしまい…。

って、ここまで書いて思い出しました。芋の葉に聴いた咄の「味噌ひとなめ」も同じようなエピソードがありますね。
ふろふき大根(田楽)好きは味噌のためにでかけてしまうものなんだなぁ(笑。


話を戻して。
てな感じで、山男は捕まってしまいますが、それがもとで問題の解決になります、というお話です。

で、なんでこの話をこの時期に紹介したかというと
やっぱりふろふき大根のためです。
読んでると食べたくなるんですが、夏に読んでも大根はおいしくないし、第一ふろふきを食べるのは無理な季節ですからね。

その点今なら大根がうんとおいしい季節。
1本かったらしばらく楽しめます。

読んでから大根を買いに行くもよし
買って大根を煮ながら読むもよし
です。

個人的には後者をおススメいたします。

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サンタクロースと小人たち


サンタクロースと小人たち

ホントはもう少しギリギリになってから紹介しようかと思ったんですが
読んだ時にはクリスマス、ってのもつまらないかなと思いなおしました。


サンタさんって、いくつくらいまで信じてるものなんでしょうね?
私はかなり早い時期からしってましたけど
がんばってるおうちは信じてもらい続ける努力を毎年しているらしいですよね。

最近は、各国に公認サンタクロースがいるってことを知ってる人
けっこういるみたいですね。
私も知ったのはつい最近です。日本の公認サンタさん、会ってみたいなぁ。
なんて前置きばっかりしてないで本の紹介しなくちゃですね。


フィンランドにサンタの住んでいる村があるんです
ということで、その村の1年の様子や生活をこまかく描いたのがこの絵本。
サンタはたくさんの小人たちと住んでいて
その小人たちがサンタの届けるプレゼントを1年かけて準備する
というお話なので
とにかく絵がたくさんの小人でにぎやかです。
しかもクリスマスカラーの赤、赤、赤で緑や黄色などがくわわって。

お話もやさしくてステキなんですが
絵もきっと何十年たっても色あせないだろうなぁという楽しさ。

サンタを信じている子には
こんなふうなんだよって読んであげたいし
サンタなんていないよって子には
でもこんなふうだと思うと楽しくない?って読んであげたいです。

大人ももちろん楽しいですよ。
私はクリスマスの時期に取り出しますが
パラ見のつもりが、毎回けっこうしっかり絵まで見つめて読み込んじゃいますね。
なので、子どもに読み聞かせをしてあげるときは
時間がけっこうかかるかもしれないと覚悟してくださいね。
絵を読む子だと、1見開きにかける時間が長くなると思います。


数あるクリスマス絵本の中でも
ぜひ読んでほしい1冊です。


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百まいのドレス


百まいのドレス

エレナー・エスティス作 ルイス・スロボドキン絵のこの絵本は
50年以上前に岩波書店から「百まいのきもの」というタイトルで出版されたものです。
2006年に改訳をして再発行されたようです。

美しい水彩と、たぶん色鉛筆を組み合わせた絵です。
なぜか人の顔はあまりはっきり描かれていませんが、それが多分ふさわしいのだと思います。
この本に出ているのはわたしであり、あなたでもあるのだから
私はそんなふうに感じます。


ワンダという名前のその少女は、学校に来なくなっても誰も気づかないくらいおとなしい子です。
3日くらいクラスメートの子はワンダがきていないのに気づきませんでした。
それがどうして気づいたかというと、登校途中にワンダをからかって遊ぼうと思ったのに
ワンダは登校せず、その子たちふたりは学校に遅刻してしまったからです。


この本は、いじめの本です。
もちろん作品が作られたころは「いじめ」なんて言葉はありませんでした。
差別、という意識でくくられていたのかもしれませんね。

ワンダ・ペトロンスキーなんてかわった名前だから
ほとんどしゃべらない子だから
百まいドレスを持ってるなんてうそをつくから

クラスメートの少女たちはワンダをからかいます。
「ドレスを何枚持ってるの?」
「靴は何足あるの?」
「ぼうしはいくつあるの?」
くりかえし、くりかえし…。

それを面白いと感じない子もいます。ペギーの友達、マデラインがそうです。
でも、ワンダをかばうことはできません。せいぜい自分は何も言わないようにするくらい。
そして、せめて手紙を書いて、やめてくれるように言ってみよう
そんなふうに思っても実行できず、そのうちにそのことも忘れてしまいます。

ワンダが学校に来なくなったことにペギーとマデラインが気づいた次の日は
デザインコンクールの発表の日でした。
子どもたちは教室に入って驚きます。教室中がうつくしいデザインのドレスの絵でいっぱいだったからです。
それはすべて受賞者のワンダの作品でした。


ここでワンダが登場すれば、物語はまた違った展開になるのですが
この物語では、ワンダの一家は引っ越しをして、その連絡が手紙で学校にきます。
ワンダの父親からの手紙には
「大きな町に引っ越すので、ポーランド人だとばかにされることも、へんてこな名前だとからかわれることもありません」
と書いてありました。

ペギーとマデラインは反省しますが
いままでのことを消すことはできません。
どんなに自分に都合のいい言い訳をしても
ワンダをかばう想像をしても
それは違うことだ、という、おそらく良心の声がひびくように
いやな気持をふりはらうことができません。
ペギーの方がいつもからかっていたのに、気持ちを引きずっているのはマデラインの方です。
ペギーは自分を納得させるのが上手で、ワンダに感心したことで自分の気持ちや(たぶん自分のした行動も)書きかえているのでしょう。

家まで行ってみても、やはりワンダ達はいませんでした。
なにか自分たちの行為をつぐなったりとりもどせたりしないだろうかと
ふたりはワンダにあてて手紙を書いてみたりします。

そして、直接ではないにしても教室あてに返事がきます。
みんなにあの百まいのえをあげます、ペギーにはこの絵を、マデラインにはあの絵をあげます、と
二人には絵の指定をしているのです。
そして、家に帰ってワンダからもらった絵を見たマデラインは、あることに気付きます…。


物語は終わりですが、
私はほんとのところ、ワンダが教室のみんなにあてた手紙が気になるのです。
その手紙は「前の学校の方が良かった」とむすんでありました。
ワンダのその後がとても気にかかります。

またいじめられているのでなければいい。
単に新しい学校にまだなじめなくて、前の学校が恋しいような気がしているのであればいい。
そんなふうに思ってしまいます。


学校に通う、女の子たちに読んでほしいです。
小学校でも中学校でも高校でも
女の子の細やかな心理をよくあらわしていますので
(たとえ苦い思いであっても)共感しながらこころのどこかに残る物語だと思います。

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ちいさなもみのき


ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

クリスマスっぽい作品、第2弾です。


クリスマスツリーになるモミの木
日本では、モミの木を実際にツリーにすることはあまりないと思いますが
海外の本だと、本物のモミの木をとってきて飾っているお話がけっこうありますね。
初めて読んだのはなんの話だったかは覚えてませんが
モミの木を取りに行く、というのが、なんというかカルチャーショックでびっくりした記憶があります。

この絵本では、ツリーになったモミの木の3年が描かれています。
ツリーになる前のモミの木は種から芽を出して7年かけて育っていました。
芽を出してから7回目の冬、男の人が森にきてモミの木を見つけ、気をつけて地面を掘り
モミの木を持って家へかついでいきました。

家でモミの木を待っていたのは男の子です。
足が悪くて、自分で森に出かけられないので、ツリーが家に来てくれるのを待っているのです。
モミの木はきれいに飾られ、男の子の家のクリスマスツリーになりました。

春になり、モミの木は森の中のもとの場所へかえしてもらいました。
季節が過ぎ、モミの木はまた男の子のもとへ届けられます。
モミの木も男の子も、少し大きくなっていました。

その次の春も、モミの木は元の場所へかえります。
そして冬になり、雪が降る季節になりましたが
ことしはモミの木のところへだれもやってきません。
雪は降り続き、やがてやみましたが、それでもまだモミの木を連れていく人は誰も来ませんでした…。


ということで、3年目がどうなったかは絵本を読んでにっこりしていただくのがいいかと思います。

この絵本は、飾り気のない素朴な文章と挿絵が
冬の雪げしきとクリスマスの静かなお祝いの雰囲気をよくあらわしています。
クリスマスキャロルがうたわれるシーンがあるのですが
楽譜と歌詞があるので、これを見て歌えるかたもいらっしゃるでしょうね(うらやましい!)。

園とかで先生がこれを読んで歌ってくれるのを聞いてみたい絵本です。




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追跡のクリスマスイヴ

追跡のクリスマスイヴ (新潮文庫)追跡のクリスマスイヴ (新潮文庫)
(1996/11)
メアリ・ヒギンズ クラーク

商品詳細を見る


ちょっと早めですが、街はもうイルミネーションいっぱいですしね。


正確に言うと、これは児童書でもないし、YAでもありません。
帯にはサスペンスとありますけど、そんなにコワくもないんですよ。
主人公が7歳の少年なので、視点が7歳であること。
あとはすごく面白いので、シーズンが来たら紹介して、小学校高学年とか中学生とかが読んでくれたらいいなー、と思っています。


物語のあらすじはこんな感じ。

主人公の少年ブライアンは、ママと兄のマイクルといっしょにニューヨークに来ています。
家はオマハなのですが、パパが重病でニューヨークの病院に入院しているので、
おばあちゃんの家にいるのでした。

おばあちゃんが子どもたちに楽しい時間をすこしでもつくってあげなさいとすすめたので
ママは子ども二人をつれて、ツリーを見に来たのでした。
ブライアンは行列なんかきらいだし、今日は何よりパパの病室に行って、おばあちゃんがママに渡した聖クリストファー様のコインでできたお守りのメダルをパパに渡したいのです。

そんなことを考えながら、ママに渡されたお金を辻音楽師のバスケットに入れたあと
ブライアンはママの財布が落ちたこと、それを拾った女性が財布を持ったまま立ち去ってしまうのを見ます。
大変!財布の中にはなにより大事なメダルが入っているのに!
ブライアンはママや兄を置いて、その女性を追いかけはじめました。

女の人は盗むつもりはなかったのですが
自分の悩みや以前お財布を拾ってあげたのにいやな思いをさせられたことや
そんなもろもろのことが積み重なって、つい魔がさしたというわけ。
しかし、困ったことに、彼女には犯罪者の弟がいて
その弟が拘置所から脱走しているのです。
彼女が心配していた通り、帰宅したら弟がきていました。
ブライアンは弟に見つかり、財布のことを話してしまい
コインは取り戻すのですが、脱走者の弟の逃避行の道連れにされてしまいます…。


というかんじで緊迫の物語は続きます。
追いかけたのち連れ去られるブライアンと、何もわからずに行方不明のブライアンを探すママとマイクル。
財布を拾って渡せなかったためにこの事態を招いてしまった女性。
それぞれが絡み合いながら、クリスマスイヴの時間が過ぎていきます。

最後にはちゃんとハッピーエンドになるこの物語は
クリスマスと聖クリストファー様のコインが大事なキーになっていて
日本のお祭り的なイベントとはまた違う
祈りや教会やキリストが下地になっているクリスマスを表現しています。

内容がみっしり詰まったムードなのに
本自体は薄く、中編の長めといったボリュームなので
ミステリが好きな人にはプレゼントにしてもいいかもしれません。




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