しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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アンの娘リラ

夏の、この時期に
紹介したかった本です。



著者はルーシー・モード・モンゴメリ
出版社は新潮社。改訂版の文庫です。

赤毛のアンシリーズの最終巻になります。

アンについてはいろいろ書いて、読み比べをするとか言いつつ挫折中でしてw
実のところ、最初の「赤毛のアン」を紹介する前に
この最終巻を紹介することになるのかなーっと思ってたこともありました。

なぜって
この本はワタシにとっての
ベスト・オブ・戦争小説だからなんです。

舞台は変わらずのグレン・セント・メアリ(結婚後のアンが住んでいる場所)ですが
どちらかというと、時代である第一次世界大戦が舞台だ、と言った方がふさわしい設定です。

急に始まった戦争が、村や家や家族に忍び寄り、おおいかくす様子
その中でどのように日々を過ごしていくのか

戦場ではなく
日常を通して戦争というものを表現している
一級品の作品です。

一家の末っ子で大事にされ、あまやかされて幸せに過ごしていたアンの娘・リラを軸にして
アンの家庭や村の様子を通して
戦争とはどのようなものか、
それに対して人々はどのように考え
どのようにふるまっていたのかを
厳しいばかりではなくユーモアも交えながら伝えてくれています。

15歳直前だったリラの家に訪れた戦争は
長男の出征を皮切りに
彼女の生活を変え、考え方を変え、試練を与えます。
本のはじめで彼女が語る、だれかから聞いたという
「十五から十九までの年が娘の生涯で最良の年」を
彼女は丸々戦争で過ごしたことになるのですね。

彼女の、そして他の人々の兄や、あるいは弟、ときには恋人や夫たちは
「僕らが子供のころ遊んだあのなつかしい場所を他の男の子や女の子たちにとって安全な場所とするため」に戦い(P208より抜粋)
留守を守る人々は
「あんた(注:カナダの国旗を指す)をかかげておくために、わたしたちはみんな、なにかしら捧げてきました。四十万もの男の子が海外へ行き――そのうち五万人が戦死しました。けれども、あんたにはそれだけの値打ちがありますよ」(P502より抜粋)
と語りかけるような心で過ごしていました。

戦争は起きてはならない痛ましいことであるのはもちろんです。

けれど

日本の小説・児童書に多い
「戦争反対」のみを声高に表現し
みにくいこと、よくないことだけを
ことさらに取り上げている作品を読むならば
その一方で
この「アンの娘リラ」のように
誇りを持って戦争に直面する人々の物語も
紹介を忘れてはならないし
読むことを怠ってはいけないと思うのです。


終戦記念日の前に八月盆の入り。
戻ってくるご先祖様のなかには
戦争に行かれた方ももちろんいらっしゃるでしょうと思い
今日、この本の紹介をさせていただきました。

読んでいただき、どうもありがとうございます。






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-2 Comments

しろいまちこ says..."こうまさん様"
コメントありがとうございます。

モンゴメリの中でもちょっと異色では?と思われる作品なのですが
ワタシはとても好きなので
コメント寄せていただき、うれしいです。ありがとうございます。

日本の場合は、戦後の教育(戦勝国からの干渉含む)もあるでしょうし
もしかするとですが
武器が少ないがために
命も武器になるのだと教えてしまい
送り出したことに対する後悔が非常に大きかったのかもしれませんね。

若い方たちが戦争に関する本を読まれるときには
一方向ではなく
いろんなスタンスの作品を
幅広く読んでいただけるといいな…と思っています。
アンシリーズ、しかも最終巻ということで
読まれる機会が少ないのでは?と常々感じていたこの作品を
今回取り上げさせていただきました。

読んだ方の心で
なにがしか感じとっていただければ嬉しいです。
2012.08.16 00:18 | URL | #hufKyueo [edit]
こうまさん says..."私も同感です!"
モンゴメリ作品、私も大好きです。
リラのお話は、涙なくしては読めない部分もありますが、
大切な人を守るために戦っている人の気持ち
銃後を守る女たちの気持ち、
そういうことをわかるということも大事ですよね。

『祖国を守る』真髄は、悪でもなんでもない自然なことだと思いますが
ひょっとすると
日本の国はその気持ちが持ちにくいシステムかもしれません。

若い人たちは、どのようにこれを読むのでしょうね?
2012.08.15 13:41 | URL | #O7xVy9HA [edit]

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