しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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情熱の女流「昆虫画家」―メーリアン波乱万丈の生涯

ええっ!?
名作なのに買えないの?



Amazonより内容紹介
ゲーテもピョートル大帝も絶讃!
自由奔放な個性、強烈な生命力で人々を圧倒する作品と劇的な一生
17世紀、ドイツ――
昆虫学のパイオニアは、一生もまた破格だった。ふたりの娘をつれての離婚、かけこみ寺での隠遁生活、アムステルダムへの移住。そこからさらに52歳で、オランダ植民地スリナム(南米にある現スリナム共和国)への旅。このころの52歳といえばすでに老年だし、帆船で3ヵ月という長旅に加え、熱帯の過酷な環境に耐えられるはずもないと、周囲から強く反対されたのに、南国産大型昆虫の生態を知りたい一心で初志を貫いた。そして丸2年、マラリアで死にかけながらも、かの地にとどまり精力的に研究を続けた。
目の悦びを求めてやまなかった当時の人々――彼女の生涯はぴったりドイツバロック期と重なる――が、彼女の大判の羊皮紙に手彩色された72枚の銅版画集「スリナム産昆虫の変態」に熱狂したのもうなずける。ロシアのピョートル大帝はわざわざ彼女の自宅へ侍医を派遣し購入させたし、18世紀を通じてずっと、特にロシアとフランスで、メーリアン作品を所有することがステイタスシンボルであり続けた。画集は生前にもう版を重ねており、彼女はじゅうぶん成功の甘き香りを楽しんだ。ナボコフもゲーテも、そのすばらしさに触れている。特にゲーテは「感覚的悦びを完璧に満足させる」と讃えた。

著者は中野京子さん
出版社は講談社です。

2002年の出版だそうですが、Amazonの中古も出てないみたいです★
図書館でお探しいただくしかないのかも…

この方を何で知ったんだっけか…と思ったらば
4月2日のGoogleのバナーでした。
お誕生日にちなんで、イラストを虫絵画バナーになってまして
クリックでWikiの記事に行ってみたら、メチャメチャ魅力的な方のよう。
ってことで本を探して読んでみたら面白かったと。

伝記、もう1冊あるみたいなので、そっちも読んでみようと思ってます♪


でもってビックリしたのは
今日ご紹介した本は、著者の方が日本人なんですよ。
ジャンルとしてはマイナーだと思うのですが
日本人が伝記で書きおろしって、珍しくないですか?

あとがきによると
著者、中野京子さんは2001年にロシアへメーリアンの絵を見に行くツアーを企画なさったのだそうです。
手に触れてみることもできたのだとか!すごいツアーだったんですね~(@0@)
ロシアの厳密な保管方法と、それにもかかわらずツアー客に直接見せてくれる太っ腹さには
しみじみ感じ入りました。

どんな人生だったかというのは
上の内容紹介やWikiを読めばバッチリわかるわけですが
表紙をはじめとする絵の素晴らしさは
Webだけではなく本も合わせて見て
堪能していただきたいですね。

メーリアンという人は
自分の感じた美しさをそのまま手から紡ぎだし
芳醇な絵に伝えることに成功した稀有な画家だと思います。

家系に恵まれ
育ち方は吉凶合わせもち
絵の才能を磨きながら浮かれることなく実利に関しても気を配り。

こう書くとスーパーウーマンのようですが
そうではなく
ただ、自分の情熱の向かう方向を早く知り
そらすことなく進んだ女性であるように
ワタシにはみえました。

進む方向は決まっている
ならば今はこう進もう、と。
たとえうまくいかなくても
自分の力は抗うことより耐える・しのぐ方向に使うのだという
意志を感じるのですね。

絵だけではなく、生き方も芳醇にしたメーリアンに深く共感した
中野さんの著書は
溢れるほどの情熱に満ちていて
時としてそれは過多であるようにも感じられますが
その世界にひたりながらも
メーリアンの絵画の特徴や当時の時代的背景をしっかり語ってくれているため
読みやすく理解しやすい文章になっています。

昆虫のニガテな方にはおススメしませんが
虫を見て美しいと感じ
孵化や羽化の美しさ、不思議さに感じ入ったことのある方は
そこを突き詰めていったこの女性の生き方を書いた本を
ぜひご一読いただきたいと思います。

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