しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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22XX 

読んだときからずっと心のどこかに残っている作品です。

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【以下、裏表紙より転記】
ヒト型ロボット・ジャックは人間同様の食欲を感じることに辛さを覚えていた。王女誘拐犯を追うジャックは、密林の中でルビィという少女に出会う。昼は可憐な少女、夜は美女へと変身し誘惑してくるルビィに戸惑うジャック…。彼女は食事を神聖な儀式として人肉を食するフォトゥリス人だった。

『ジャックとエレナ』というアンドロイドもののシリーズの中の1作品です。
この作品で登場するのはジャックだけ。エレナとまだ出会っていない頃のストーリーですね。

著者は清水玲子さん
出版社は白泉社
今は白泉社文庫で入手できます。

雑誌で読んでいた家までは記憶がないのですが、たぶんほぼリアルタイムで読んでいるはず。
文庫じゃなくて普通のコミックスサイズで見た記憶があります。
てかこれ、もっと大きいサイズの豪華版とかで読みたいかも。なにせ絵が端正で美しいので。

ブログ紹介しようと思ってあらためて文庫本を入手し
初めてあとがきまでしっかり読みましたらば
この作品が著者清水さんの大きな転機になり『輝夜姫』ひいては『秘密』にもつながったとのこと。
なるほど、納得できます。
この究極な問いや、闇の部分につながるところまでも見つめる視点の深さは
清水さんの作品に共通ですものね。

ワタシは食い意地がはっている、というほどではない(と思いたいw)ですが
食に関しての興味は強い方です。
大学の卒論も食とか食文化に関してでした。
(ゼミの先生はぜーんっぜん!畑違いだったので
さぞ査定が大変だったことでしょうw)

なので「食べる」という行為に関して
これほど深く掘り下げられていると非常に反応してしまいます。
生きるということに直結する行為でありながら
食事がレジャー的なものであり、とんでもなく軽い扱いになっている…というのは
最後のほうでチラリと語られる程度ですが
意識としてはストーリー内でも現代でも同じですね。

生き延びることが大変な状況であれば
食べものを入手するということも一大事であり
意識は高く持たざるを得ないわけでして。
それを極論まで高めたのが、このフォトゥリス人の設定ではないかな…と。

カニバリズム的内容なので、抵抗を感じるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが
少女マンガの端麗な絵で
ときどきコメディタッチにもなり、うまく息抜きをさせてくれるので
非常に読みやすいです。
いい作品というのは、緩急のつけ方も上手なんですよね。
ヌケの部分があるのでスリリングであっても息を詰めすぎないで読めるというか。


そんなふうにクスリとさせてくれつつも
ストーリーが進むうち、緊迫感をはらんできます。
食と性と生がからむという
ヒトとして剥きだしの根本部分に対して
それになんら関与することができず、しかし食欲が組み込まれているというアンドロイドのジャック。
そして、ジャックがアンドロイドではないことを知らないルビィ。

文化と生き方と犠牲との関係性が
織物のようというよりは縄のように密接に絡まりながらひとつのストーリーに展開されていて
最後のほうでジャックが語るセリフは
まさに哀悼に満ちたルビィへの懺悔。
とんでもなくグロテスクに聞こえるはずの内容なのに
悲しく美しく響きます。

食についての厳しい一面をクローズアップされていますが
この面についてなんら考えることなく生きていくよりは
この作品をきっかけに、考えるチャンスを手に入れてほしいです。
ワタシが伝えたいのはそんな感じです。
もちろんそれはワタシの勝手な感想で、著者の方のお考えとは違うかもしれませんけれど。

食肉、屠畜系のジャンルに興味のある方に。
そして
食のマンガや絵本が好きなYA、オトナの方にも
読んでみていただきたいな、と思います。









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