しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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ヤクーバとライオン 2 信頼

なんとか年内に紹介できてうれしいです!


内容紹介
男とライオンは闘う。お互いを助けるために ライオンたちが村の牛を襲いにきた。家畜係のヤクーバは、ライオンの王者と闘うが、お互いに相手を傷つけまいとする。深い信頼で結ばれたふたりの、感動的な物語

著者はティエリー・デデュー
出版社は講談社です。
1勇気の紹介記事はこちらです


1の『勇気』から、たぶん何年もたってからの物語のようです。
この対になった表紙を見ただけで、1巻を読んだ方は
彼らの(おそらくは葛藤を伴うであろう)再開の物語なのが推測できるのではないでしょうか。

食糧になるものが見つからないほど厳しい気候のなか
それまでのタブーを犯さざるを得ないライオンと
対峙し戦わなければならないヤクーバ。

前作では「命」と「名誉」でしたが
今作、両名ともに「自分の属する集団の食事(生命)」がかかっています。
戦わなくてはいけない
けれど
相手の命を奪いたくはない
両名ともたいへんなジレンマを抱えつつ戦うことになります。

1巻と変わらずの、
墨だけなのにフルカラーの絵より能弁な絵と共に物語が展開されます。
ダイナミックさは荒削りなようでいて
勢いも静寂もあふれんばかりです。
この絵に、この物語に
最初はただ圧倒されてしまい
何を書いても上滑りになるのでは?と不安を感じました。
(それもあって、1巻の紹介から少し間があいているのです★)

とはいえ、実のところ、この作品
最初に読んだときは感じるか感じないかくらいのかすかな違和感だったのですが
繰り返し読むうち、翻訳が気になりはじめてしまいました。
ヤクーバとライオンの戦いを「見せかけのたたかい」と表現しているのですが
この表現がどうもしっくりこないのです。

ワタシにとっては
彼らの戦いは「みせかけ」というよりは
「とどめをさす非情さを持つことができない」本気の戦いであるように思えて仕方がありません。
原語ではどういう表現なのでしょうね。

本気だけれど非情になりきれないことをお互いに理解しつつ戦う。
言葉で表現するとスポーツや武道のようでもありますが
その後の命がかかっています。
ライオンは群れの直接の命
ヤクーバは集落の今後を左右するであろう牛の命。

切実で
深い深い精神のやり取りがなければできないような戦い。
その結果、相手に対する深い尊敬をお互いにもつのですが
その後のライオンについては
残念ながら見通しが暗いのです。

ヤクーバが届けたであろう牛の肉は
ライオンの誇りを傷つけなかったでしょうか。
彼はどこに「立ちさる」ことにしたのでしょうか。

訳者が語るように
『物語は一つではない』終わりかたです。
読者がそれぞれ考える続きは
自分の心の運びどころも見せてくれるように思われます。

信頼とは
誇りとは
命とは
など
ふだん見過ごしがちなことについて考
えなおすきっかけをくれる作品でした。








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