しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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世界でいちばん貧しくて美しいオーケストラ エル・システマの奇跡 (その2)

月末だというのに、何回の記事になるかすらわからない本をとりあげてしまい
なんだかとっても焦っていますw

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
異端の指揮者・天才ドゥダメルとノーベル平和賞候補革命家アブレウ、“踊る交響楽団”格差社会に奇跡を起こす。

著者はトリシア・タンストール
出版社は東洋経済新報社です。

その1の記事はこちらからご覧いただけます。



エル・システマに関するノンフィクションは今のところ2冊出版されているのかな?
どちらもシステマの活動全般についての本ですが
もう1冊の方は文章がもっと固めなカンジ。流れも時系列なのでかなり淡々としていました。
(実は途中で挫折しているので、そのうちに再チャレンジの予定です★)
こちらはタイトルといい内容といい、システマのドラマティックな面を強くアピールした本になっています。
まあ、エル・システマというのがそもそもかなりドラマティックな組織なので
組織の特徴をアピール!ということでいいのかもしれませんね。

さて。
システマの話をどこからはじめよう?
やはり有名なドゥダメルさんのことかしら…
などと考えていたのですが
ワタシの心から離れないのは
エル・システマの主催・アブレウさんの
ピアノの先生ヒメネスさんのことでした。

ドラリーサ・ヒメネス・デ・メディナ
お名前をぐぐっても、この本からの抜粋らしき記述、もしくはエル・システマのサイトしか見当たりません。
ですので
ワタシが知りえる情報は、この本からのみ、ということになります。

シスターだった女性。
裕福ではなく、ピアノの教室の生徒も貧しい家庭が多い。
わずかな月謝すら払えない生徒には無料で教えていた。
発表会をしょっちゅう開き、生徒たちが人前での演奏に慣れるようはからった。
古いピアノを譲り受けて7台持ち、
生徒それぞれの技量に合わせて名曲を編曲・アレンジし
何人もの生徒で同時に弾けるようにする。
音楽を通して生徒たちに
コミュニティーの一員として生きること
そこには喜びがあふれていることを教えた。

どれをとっても並大抵ではなく
天分、そしてなによりも生徒たちに対する
汲めども尽きぬほとの豊かな愛情がなくてはできないことです。
彼女の無私の奉仕は
やはりキリスト教のシスターだったから、なのでしょうか。

名前しか知らないその人の顔がなぜか浮かびます。
姿かたちではなく、目元と口元です。
いつも目じりは下がり、口角は上がり、微笑んでいたのでしょう。
生徒たちは音楽もしたかったでしょうが
なにより、ヒメネス先生に会いたくて
会えるのが嬉しくて
レッスンに出かけて行ったに違いないと
確信が持てます。

彼女は
エル・システマのような組織を作る人が自分の生徒にいるのだなどと
思いつきもしなかったでしょう。

目の前の子どもたちに、自分のもっている
精一杯の才と愛をそそぐことしか考えていなかったのではないかしら。
意識されることなくアブレウさんのなかに蒔かれた
音楽への愛情と、それが他者にもたらす恩恵という種は
このとき芽吹き、その後システマという大木に育ち、今も成長を続けているのです。

まるで神がエル・システマという喜びを行うための第一歩として
彼女を選んだかのようにさえ思えるのは
シスターであった、ということを過大にとらえているのかもしれませんけれど…。


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