しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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ルイーザ・メイ・オルコットの日記――もうひとつの若草物語――

日記なんですが、そのままのカテゴリがないので伝記に入れちゃいます。例によって大雑把です★


内容(「BOOK」データベースより)
10才から亡くなる4日前まで書きつづけたベストセラー作家の光と闇。

編集:ジョーエル マイヤースン
出版社:西村書店
初版:2008年7月15日




オルコット…
『若草物語』が好きかどうかはさておいて、あれを名作ではないと言える人はそう居ないと思います。
ものすごい量の作品が生前発表されたようですが、いま日本で読めるのは『若草物語』系の作品がいくつか。
他に未読の作品はないかなーと思って検索をかけたら、この日記の事がわかったのでした。

まだざっくりと斜め読み中なんですが
この日記、オルコット作品が好きな方だけでなく
モンゴメリ作品…というかエミリーのシリーズが好きな方に
強くおススメしちゃいます!


著者と主人公が似てるならともかく、別作家のキャラクターとの類似性にまず驚きました。
ものを書く姿勢というのは、自然と似通ってくるのかもしれませんね。
あとは時代性かな。女性であるということは、書く才能があってもそれだけしていればいいというものではなく
家事からは逃れられない。
けれど、その中でも頭を働かせ、練った内容を書く時間がとれるようになったときにひたすら書きつける。
そのようにして生まれてきた作品が、やがて世に出るようになる。
エミリーとオルコットは、このプロセスがとてもよく似ているのでした。

幼いころからつけていた日記だというのに、かなり初期から文章がひとりよがりではなく
非常に読みやすいです。
読み進めていくうちに、日記といっても本人だけでなく両親も読んでいたことがわかり
なるほど人(両親)に読まれることを前提としていたから、客観的な視点を得ていたんだなと納得。
交換日記のような気持ちで書いていたのでしょうね。

オルコットは生きているうちに有名作家になったためか
日記を後年に大整理したということです。
現存するものは、そのときに取捨選択されて残った文章なので
洗練されている内容に感心しきり。
輪郭はくっきりと、そしてつい高ぶって筆が走ったような場所は、おそらく削除されているのでしょう。
前向きで自分をはげましながら進む心情が繰り返し語られています。

『若草物語』であるのはもちろん、『昔気質の一少女』の要素も色濃く出ていますし
『愛の果ての物語』のような激情は、鬱屈とした気持ちに襲われたときの感情的な色合いを思いださせたりと
作品を読みかえしたくなるような魅力的な文章が続きます。
難しくはありませんが、補足の注がすごい数&内容量なので
ここでひっかかるとなかなか進まなくなりそう。
本文読んで注を読んで、あちらとこちらを行き来しながらゆっくり読みこむもよし
本文だけをとにかく読んで味わって、再読のときに注を合わせて読むもよし、です。
(ちなみにワタシは当然のごとく後者です。せっかちなのですよw)

お金に関する記述もしっかりあります。
オルコット自身は気づいていなかったでしょうが
文筆でひとりだちする前についていた様々な職業の記述を読むことで
女性が外で働く場合の仕事内容や賃金までわかります。
もちろん原稿料や依頼内容なども。
おかげで当時の経済的感覚が理解しやすかったですね。

このタイプの作品が求められているならそれを書こう、という
商業作家らしい割りきりが見られたり
家族のために奉仕をしつつ、奉仕を受ける側の妹をうらやんでみたりするところに
人間らしさや淋しさ、そして
人としての奥行きとか多面性とかいったものを感じ
オルコットが身近な人のように思えてきます。

ズシッと分厚い本ですが
上に書いたように、オルコットの作品ファンやエミリーシリーズのファンであれば
日記を読んでいるというよりも、完成しなかった小説を読んでいるような気持ちになれることでしょう。
晩年は体調不良に悩まされたようですが
その苦い部分も含め、ぜひ味わってお読みいただきたいと思います。




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