しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

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王の手紙

こういう歴史系の物語、けっこう好きです~♪

王への手紙(上)

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著者:トンケ・ドラフト
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
騎士になるための最後の試練の夜、16歳の見習い騎士ティウリは、見知らぬ男に重要な手紙を託された。思いがけない使命を与えられ、大山脈のかなたの隣国へと向かったティウリの行く手には、陰険なスパイやさまざまな陰謀が待っていた。

王への手紙(下)

王への手紙(下)
著者:トンケ・ドラフト
価格:820円(税込、送料込)
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
見習い騎士ティウリの負った任務は、二つの国の未来を左右する重大なものだった。執念深いスパイやなぞの騎士たちに命をねらわれながら、苦難の末に隣国の王のもとへたどり着いた少年の旅を、テンポよく描く。手に汗握る冒険小説。

著者はトンケ・ドラフト
出版社は岩波書店。岩波少年文庫です。
この文庫は、小学校中学年くらいから読める作品から、小学校高学年以上じゃないと厳しいものまで入っています。
この『王への手紙』はどちらかというと上級生むけです。



絵本クラスタのお知り合いの方が
ドラフトさんの新作を読んでいて、電車を乗り過ごした
というようなことをTwitterだったかFBだかで書いていらしたのがきっかけです。

ドラフトさんの作品って読んだことないけど、そんなに面白いの~?と、読みたくなったんですが
調べてみると、その新作は、この『王への手紙』の場所と関連した場所の物語、とありまして。
そりゃまあ、最初から読むのがよさそうだよねーとなったのでした。

読みだしたら一気読みでしたね。
印象は
ローズマリ・サトクリフ(サイドバーのカテゴリに「サトクリフ」作っています。よろしかったらどうぞ♪)をソフトにした感じ
…といえば、読者の方にはわかっていただけるのではないでしょうか。

中世の騎士見習いがまさに騎士になろうとする前夜
祈りながら過ごしているところに現れる謎の男。
そもそも男に対応することそのものが騎士になるための必要条件である『前夜の決まり』を破ること。
けれど主人公のティウリは、男の声に切実な響きを聞きとり
男と話し、彼の願いを引き受けるのです。

なんというドラマティックな幕開け!
しかもその後もえっ?えっ?という展開が続き
ティウリはひたすら旅を続けることになるんですねー。

どうなっちゃうの?大丈夫なの?と、読み手はドキドキハラハラ☆
大変な旅ではあるのですが、ツキや幸運もあり、ドラマがありつつも
ティウリがくじけることなく目的を果たせるあたり
高学年向けの児童書って趣ですねー。

ティウリは危険な目には何度も会いますが
完全な絶望に陥らずにすむあたり、ワタシが「ソフトなサトクリフ」と思う所以です。
サトクリフのヒストリカルの困難はなかなかにハードですからねぇ★

なんというか、16歳の少年という年齢がなんとも絶妙ですね。
子どもを抜け出るところだけれど、まだ大人とはいえない。
繊細で勘が鋭く、それによって困難を切り抜けたり、
アタマで考え過ぎて危険に追いつかれてしまったりという
物語性のバランスが素敵です。

途中からいっしょに旅をする少年ピアックもかわいいんだ♡
面白いもので、年齢も似ているし、立場が違っても友人として旅をしているのに
主人公のティウリは騎士で、ピアックは旗持ちという立場の違いが
文章の行間からわかるんですよ。
どこがどうなっているから、このふたりの違いが出ているのか…というところまで掘り下げて読めていないのですが
これはひとえに面白いので文章の先を急いでしまうからですw

伏線があってもおおげさではなく
後から「ん?これってここと対応していたの?」ってくらいなさりげなさです。
ちゃんと伏線回収はされますが
この伏線、そのままスルーでも気にしない人いっぱいいるんだろうなーってくらいです。
だからこそ気づくと嬉しい隠し技、みたいな感じでしょうか。

個人的にはね
行きのスリル満点なのも楽しかったですが
この帰りの伏線回収、な感じがとっても好きです。
往路ではどうなるかわからなくて不安でいっぱいで
周囲の人々に助けてもらいながら必死で進んでいたんだけど、
復路はやっぱり大事な使命はありつつも、敵に襲われる心配は無くなっているので
来たときの場所によって、みんなによい知らせを伝えながら帰るの。
気がかりを解きほぐしながら帰るエピソードの数々がホントにしみじみと嬉しくて、
ちょっと長めに丁寧に書かれているのがまたいいのですよ。
約束を守って立ち寄るティウリの誠実さに
騎士らしさを感じますねー♪

最後にちょっとドンデン?みたいな場面もあるんですが
その事態を受け入れて、なおかつ
「あのときのように助けを求められることがまたあれば、ふたたび同じことをするだろう。」
「ぼくは、ティウリだ。いつだって、よいことをすることができる」
って確信を持って心の中で語る場面がねー
うわぁ、いいなあって♡

YAほど重くなく、<あらまほしい自分>であることの気持ちよさを感じられる好作品でございました。
上下2巻ですが、少年文庫ですし、なによりも読みやすいです。
ドキドキワクワクして、でもハッピーエンドでちゃんと終わる作品をご希望の方に
おススメしちゃいます!

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