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しろまち堂~こちらも本館ですがただいま休館中の旧館です~

旧ブログ名は『ワタシノスキナコドモノ本』、本の紹介や本に関するアレコレを語る、『しろまち堂』のメイン館でしたがただいま休館中のため、こちらは旧館でございます。『しろまち堂』は『本館・新館』のほか、『~音楽・映像館~』、『~写真・旅行館~』『~縁側~』もございます。煩雑ですがあわせてよろしくどうぞです。

天山の巫女ソニン 夢の白鷺

天山の巫女ソニン この巻を紹介すれば
前に書いたのと合わせて全巻紹介になりますね。


天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺/菅野雪虫

今まで紹介した巻は
第1巻 黄金の燕
第2巻 海の孔雀
第3巻 朱烏の星
になります。

Amazonより
内容紹介
3つの国の将来を担う若い世代の友情! 大嵐に襲われた江南の打撃を目撃するソニン。やがて江南を取り込もうとやってきた巨山のイエラ王女と、イウォル王子やクワン王子との駆け引きが繰り広げられる。

内容(「BOOK」データベースより)
“江南”を大嵐が襲い、人々の暮らしは大きな打撃を受けた。“沙維”のイウォル王子は災害の援助のために、“巨山”のイェラ王女は密かな企みを胸に、相次いで“江南”に向かう。“江南”のクワン王子を交えた三人は初めて一堂に会し、ある駆け引きをする。一方、ソニンはクワン王子の忠実な家臣セオの存在に、なぜか言いようのない胸騒ぎを覚えていた…。


いまさらですが、これまでの巻は全部鳥の名前がタイトルについてたんですね。
それぞれの巻の鳥は
ツバメがイウォル王子
孔雀がクワン王子
朱烏がイェラ王女と
王子・王女のことを象徴しているようです。
そしてこの巻の白鷺は、ソニンの夢見の象徴と思われます。

主な舞台は江南になりますが
この巻では3人の王子・王女が初めて一堂に揃います。
クワン王子とイェラ王女が初対面なんですね。
とはいえ、ソニンがこっそり考える通り
ふたりは似た者同士。
メチャメチャ火花が散っています。

江南を支配下に置きたい巨山の王は江南の災難を利用するために
イェラ王女を使おうとします。
しかし、イェラ王女は、江南に来て、
世継の王子・ハヌルと知り合い
ふたりの王子やソニンと時間を過ごすうち
少しずつ、自分のしようとすることに疑問を感じ
行動も変わってくるのでした。

ここでは三者三様の関わり方
特にクワン王子とイェラ王女が関わることによって
大きく国の運命が動きます。
似ている性質、違う立ち位置
お互いを見ながら少しずつ変化していくのでしょう。
ことにイェラ王女の変わり方が大きいです。

国同士がどう動くべきか
巨山の王はとにかく支配を求め
そのためにとる行動はなりふりかまいませんが
イェラ王女は王のやり方に従う気にはなれず
王のたくらみをうまくそらします。

ソニンと関わることによって変えられた王子・王女
それを心配するクワン王子の側近・セオ

各々の目指すところはなにか
どのように動くか

この巻は、独立した物語であるように読めますが
実際のところ最終巻のプロローグのようなものでもあります。

この巻で
自分の夢見の力が本当に無くなってしまったことを知るソニン。
悔しさを感じ、涙する一方では
本当に人らしくなってきたのだと感じ
これからの自分のことを
レンファと重ね合わせて考えています。

読み終わったとき
終わりの安堵とともに
次の巻、どのようなドラマが起きるのか
静かに待つ気持ちになるのではと思います。








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